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クラミジアのせいで直腸炎になるかも!様々な病気を引き起こす怖い病気です

クラミジアは性感染症のイメージが強い存在ですが、同じ原虫を原因としたクラミジア直腸炎と呼ばれる病気もあります。直腸炎は原因によりいくつかの種類に分かれますが、クラミジア直腸炎に関してはその原虫が直腸粘膜に感染することで起こります。

クラミジアの血清型はLGV・trachoma・mouseの3つに分かれていますが、蔓延しているのはLGVとtrachomaです。1970年代以降は欧米の男性同性愛者を中心にLGVの感染者が増加傾向にありましたが、現在はtrachomaによる発症が多発しています。

しかし、直腸炎や鼠径リンパ節肉芽腫の原因になる血清型はLGVのみです。LGV以外の血清型は性器クラミジアや直腸炎以外の結膜炎の原因となり、男性では尿道炎・前立腺炎・副睾丸炎、女性では子宮頸管炎・卵管炎・骨盤腔炎・肝周囲炎などを引き起こします。現代の主力はtrachomaのため、クラミジアになると尿道炎や子宮頸管炎などを併発する方が多いのです。

感染経路はアナルセックスが基本と思われがちですが、感染した膣分泌物が肛門に触れて感染することも珍しくありません。また、性器に感染した原虫がリンパに沿って直腸に運ばれることもあります。現状クラミジアは世界中に蔓延しているメジャーな性感染症のため、LGV血清で直腸炎になったからと言って本人やセックスパートナーが男性同性愛者とは限りません。

クラミジア直腸炎は無症状または軽症状の頻度も高い病気ですが、臨床症状(患者と接した結果みられた症状)では排便時の出血・粘血便・肛門痛が確認されています。それら異変を自覚した際は病院に足を運ぶ可能性も出てきますが、無症状であると無自覚のまま伝染させる危険性があります。また、軽い症状は無視されることも珍しくありません。

この直腸炎は無症状であっても、内視鏡検査をすることで直腸内に特徴的な病変を確認することができます。肛門縁から下部直腸にかけてイクラ状粘膜と呼ばれる小隆起の集まりがみられ、発赤・軽い出血・びらん・白苔を有することもあります。

しかし、直腸に起きる半球状小隆起の病変は他の理由でも起こり得ます。そのため、クラミジア直腸炎としての検査だけでは確かな診断を出すことができません。発症起点や症状の経過具合などを収集しながら、リンパ濾胞増殖症・特殊型MLP・直腸顆粒状隆起を有する潰瘍性大腸炎・リンパ濾胞炎を呈する疾患などと鑑別することが必要です。